リモート回避からリモートファーストになった Cimpress の例

Cimpress/Vista のチームが、リモートファーストの未来に向けた作戦ブックをまとめました

WeWork 501 Boylston St(ボストン)で気軽な打ち合わせに参加する Cimpress の従業員たち。写真:David Degner

スモールビジネス向けにデザインとマーケティングを支援する Vista の親会社、Cimpress は、パンデミック以前は、リモート勤務を良しとせず、オフィス勤務が中心の社風でした。ところが、世界が一斉にロックダウンになった間、チームはリモートワークにも多くの利点があることに気付きました。そして、リモートに移行後も変わらず目標を達成し続けました。

On the strength of that successful remote experience, in August 2020 we began our transition to be a permanent remote-first company. That doesn’t mean we’re remote-only. Our culture is built upon shared moments, and there are some things that are still done best in person. That’s why we evolved our real estate strategy to convert existing office space that was designed for an office-centric culture into remote-friendly collaboration centers across the world. As part of that strategy, we have an office fit for 250 team members at WeWork 501 Boylston Street in Boston, and provide some of our global team members elsewhere with WeWork All Access memberships. 

仕事とプライベートの調和を最優先 

ワークライフバランスという言葉は、常に両立をめざして試行錯誤するという印象を与えます。一方、「ワークライフハーモニー」の考え方は、一日を通して仕事と生活を共存させるというものです。私たちは、業務を滞りなく遂行している限り、誰もが自分自身でワークライフハーモニーを定義する権限を持っています。

たとえば、「家で仕事をしているときは一人だから」という理由で、従来の勤務スケジュールにこだわる人がいるかもしれません。また、夜型人間で、遅い時間から仕事に取り掛かりたい人もいるでしょう。昼間に済ませたい個人的な用事があるのも、ごく普通のことです。

共用スペースは、Cimpress の従業員がお互いを知るための素晴らしいスペースです。

弊社では、チームメンバーが仕事に対してより気持ちよく取り組めるように、さまざまな形で支援しています。それには、通勤時間の短縮といったわかりやすいメリットにとどまらず、リモートワークの良さを最大限に活用するために必要な、よく練られたポリシー、仕事の進め方、ツール、リソースなども含まれます。つまり、根本的な考え方の変化です。

リモートファーストを実現するためのツールやポリシー

仕事とプライベートの調和が取れると、チームメンバーの幸福度や生産性にプラスの影響が生じますが、それはふさわしいツール、ポリシー、仕事の進め方があって初めて実現できるものです。Cimpress/Vista で実行した例をご紹介します。

  • 2020 年 11 月、リモートファーストを実践するために必要な事柄を網羅したハンドブックを発行したところ、チームメンバーが随時ドキュメントを追加し、アイデアをコメントで残し、情報を更新してくれたおかげで、数ページで簡潔にまとめられていものから数百ページの大作へと発展しました。
  • 弊社では可能な限り、オンラインの時間が重ならない「非同期」コラボレーションを採用し、複数の人が同時にオンラインにいなければならないという必要性を無くしてプロジェクトを進めています。これは、Slack、Box、そして弊社の仮想ホワイトボードツールである Miro などの技術のおかげです。パンデミックの初期には、一日の大半を Zoom 会議に費やしていました。現在では、本当に必要な会議はどれか、非同期の状態でできるタスクは何か、全体として会議の質を高めるにはどうしたらいいか、といった優先順位をつけるようになりました。
  • 2021 年には「ウェルビーイングデー」を試験的に導入するとともに、夏期には「リチャージ(充電)フライデー」を実施しました。2022 年は、「フォーカス(集中)フライデー」を取り入れて、金曜日の午後は会議を行わず、キャリア開発や熟考など、集中力が必要な業務を行う時間にあてています。
  • 私たちは、ウェルビーイングのためのリソースをリモートでも利用しやすいように提供しています。米国の Cimpress/Vista チームのメンバー(およびヨーロッパの一部のロケーション)では、瞑想アプリ「Headspace」と提携しています。大規模なイベントを開催することは、私たちの企業文化の大きな部分を占めています。コロナの状況が落ち着き安全性が確認できれば、年間を通じて、数百人のチームメンバーを集めて数日間の会議を開き、つながるための活動を行い、戦略を議論し、互いから学ぶために時間を割く予定です。
  • 弊社は、リモートワークにおける人間工学を評価する Rising Workplace と協力し、四半期ごとにウェビナーや 1 対 1 のワークスペースに関するコンサルティングを提供しています。また、Peloton と提携しており、米国のチームメンバーは Peloton のオンラインフィットネスコンテンツへ無料でアクセスでき、同社のフィットネスマシンを優待価格で購入できます。

弊社では、従業員のエンゲージメントを測定するアンケート調査を毎週行っており、チームメンバーのコミットメント、アドボカシー、会社に対する総合的な満足度を測っています。その結果、リモートワークにはプラスの影響があることがわかりました。現時点でのリモートファーストチームメンバーのエンゲージメントスコアは、2020 年 10 月に比べて 3.5 倍も高くなっています。Workday の Peakon Employee Voice ベンチマークによると、Cimpress/Vista は最も従業員のエンゲージメントの高い IT 企業の上位 25% にランクインしています。

リモートファーストだが、リモートオンリーではない

チームメンバーのウェルビーイングをサポートする一環として、メンバーが最高の仕事をするためにスペースを自分で選べるようにしています。リモートファーストチームのメンバーは全員、オフィス家具、消耗品、Wi-Fiなど、リモートワークにかかる費用の一部が毎月相殺され、リモートワークを最適化することができます。

WeWork と提携したことにより、多くのチームメンバーが頻繁に利用するロケーションにコラボレーションセンターやコワーキングスペースを設置しています。これらのロケーションでは、1 人で仕事をする静かな空間やアメニティが提供されるほか、チーム同士が交流したり業務に集中したりするなど、使途に合わせて柔軟に利用できるエリアもあります。

ボストンの本社機能は、パンデミック以前に拠点としていた WeWork One Lincoln Street から WeWork 501 Boylston Street へと移転しました。新しいスペースは 17,000 平方フィートの広さを誇り、最大 250 人がコラボレーションを行ったり、集中して仕事をしたりできるスペースを確保することができました。ニューヨークやオークランドなど、小人数ながら存在感を増している地域では、チームメンバーに WeWork All Access のメンバーシップを支給しています。また、インドの WeWork ロケーションにも専用オフィススペースを設けています。 

企業文化は物理的なオフィスに依存するものではなく、共通の目標の達成に向けてコラボレーションする中で生まれるものです。従業員がいつでもどこからでも最高の仕事をできるようにし、仕事とプライベートの調和を優先させると、どんな企業でもリモートファーストのメリットを享受できることでしょう。適切なツールさえあれば、場所を問わずに生産性を高めることができます。

Maureen Carroll は、Cimpress/Vistaのグローバル人材獲得および多様性、公平性、包括性担当のシニアディレクター。Carroll は人材獲得チームを統括し、リモートワークへの移行という大胆な決断の結果、目に見える効果を上げています。

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