ハイブリッドワークスペースで企業文化を築く方法

ハイブリッドな環境においては、ワークスペースでのウェルビーイングを優先しないリーダーは、後れをとるリスクに晒される

WeWork Gotham Center in Long Island City, NY.  Photographs by WeWork

この記事は、Mexico Business News からの転載です。

企業文化について語り合うことはそう頻繁にはありませんが、企業文化を培うことは企業にとって最も重要なことです。Google は、強力な文化を築いた企業として世界的に知られている例となっています。同社はその職場環境を通じて特定の文化を育む取り組み、つまり基本的に従業員が文字通り没頭できるような大人のための遊び場といえる環境の提供で広く知られています。

私たちには Google のメインオフィス・コンプレックスを真似する願望もキャパシティもありませんが、それがオフィス内であれ、リモート施設であれ、従業員が働いているときにどのように感じるかについて、真剣に考えてみることが必要です。

かつてのような平常さは二度と職場に戻ってこないとしても、コロナ禍の最悪期が過ぎたと考えられることで、ハイブリッド環境において企業文化がどうなるか把握するという作業が、会社、特に人事担当に残されました。マイクロソフトの依頼を受けて行われた先頃の調査では、「リモートワークにおいて、生産性の維持は問題ではなが、チーム文化へのしわ寄せがイノベーションを妨げているようだ」ということが確認されました。

ハイブリッドな環境では、人のつながりは、メンタルヘルス、インクルーシブであるという感覚、そして文化とエンゲージメントを維持するための企業の能力にとって不可欠です。ニューノーマルへと移行するにつれ、企業文化の維持と強化にとり、どうやって、どこで、いつ働くかを意図的に考えることはこれまで以上に重要になります。

WeWork Gotham Center(ニューヨーク州ロングアイランドシティ)

コロナ禍の間、私たちは皆、信じられないほどの不安と喪失を経験しました。とりわけ、友人や家族とつながるための有意義な方法が失われたことは私たちに大きな影響を及ぼしました。自宅で働くことは、他の人と関わったり良い仕事を続けるのに絶好の機会をもたらしましたが、それはパズルの 1 つに過ぎません。バーチャルな環境で仕事と私生活を融合した経験から、仕事についてもっと柔軟に考えてよいということもわかりました。生産的になるために私たちが毎日集まる必要はありませんが、オンライン上で共同作業することが、皆が集まってブレインストーミングしたり、互いに深くつながることに取って代わることは決してないということも、非常に明確です。

問題となるのは、ハイブリッドな職場でどのように文化を築き、それを維持できるかということです。その答えは、非常に単純な場合も複雑な場合もあります。働き方の未来についての私たちの対話は、働く人を中心とすべきで、どのように従業員の健康や安全を優先するか、どのように彼らのウェルネスを向上させられるか、どのように生産性、エンゲージメント、ウェルビーイングを促進する安全で柔軟な職場を提供するかを取り上げる必要があるでしょう。

歴史的にみて、今は、リーダーがそれぞれの企業に最適なハイブリッドモデルを作り出す絶好の機会です。しかしながら、この移行を通じて、成功し続ける、団結した文化を維持するには、リーダーとチームとの間のやり取りが不可欠です。以下は、ハイブリッドの職場環境において、企業文化やチームとのつながりを促進するためにリーダーが取ることができる行動の一部です。

階層主義的な態度を控え、よりインスピレーションを与えるリーダーとなる

従業員が帰属感と共通の目的を持っていると感じるとき、企業は成功し、成長し続けます。従業員が平等に扱われていないように感じると、この意識はすぐに失われてしまうかもしれません。ハイブリッドで働くチームと仕事をするときは、すべてのメンバーが、代表されていると感じることが重要です。当社が昨年実施した調査の 1 つでは、ミレニアル世代と Z 世代の 80% が、在宅勤務が始まって以来、同僚やリーダーとのつながりをあまり感じなくなったことが明らかになりました。これは、リモートのチームは、つながったり関与しようとするときに、対面で働くチームと同じやり方では苦心する可能性があることを意味しています。これを避けるには、リーダーは、より感情に訴えるかたちでのリーダーシップに頼ることが必要です。つまり、社会的な接触や対面でのやり取りの欠如を補うことが必要となります。

チームとの形式にこだわらないやり取りを促進する

WeWork Coda(アメリカ ジョージア州アトランタ)

バーチャルミーティングは便利なものですが、正直なところ、偶然オフィスの廊下で会って、そこでコーヒーを飲みながら行われる有意義な会話に取って代わることはありません。これらの形式にこだわらない偶発的なミーティングは、従業員が協力してアイデアを交換しあい、どの分野が専門であってもその将来のために大きな価値を持つソーシャルネットワークを強化する、意味深いきわめて重要な人間関係を築くきっかけを提供します。このようなやり取りは、オンライン環境では自然には起こりません。リーダーは、従業員がオンサイトとオフサイトの両方で仕事を続けるにつれて、このようなやり取りを持つための新たなアプローチを意図的に作り出す必要があります

リーダーとしてのあなたの期待を明確にする

「ニューノーマル」への移行を続ける中、私たちは毎日新しいことを学んで、何がうまくいって、何がうまくいかないのかを発見しています。この不確実さの観点から、明確な期待を設けて、チームに確実さを提供することが私たちには必要です。ワークモデルに関わらず、最初からルールを設定し、各自への期待を効果的に伝え、ハイブリッドモデルによる新たな可能性を展開することは、リーダーである私たちの責任です。

好機を逃すことなく、ワークスペースでイノベーションに取り込む

WeWork Gotham Center(ニューヨーク州ロングアイランドシティ)

私が思うに、働き方を変え、現状に挑戦し、職場でイノベーションを起こすのに今ほど最適な時期はありません。今こそ、生産性、創造性、ウェルビーイングにおいて、組織全体に利益をもたらす変化を導入する時です。企業が適切な方法で対応した場合には、従業員自身がどこで、どのように、いつ働くかを決めることのできるハイブリッドワークスペースによって、従業員がどこにいても才能を最大限に活かせると同時に、コストを削減し、プラスの影響を生み出だせるようになります。

パンデミック以降において企業文化を保護することは、パンデミック後の環境で企業が直面する最大の課題のひとつになるかもしれませんが、これらの課題を将来のための大きな好機に変えるのは私たち次第です。

Alvaro Villar は、メキシコシティを拠点とする、WeWork メキシコ & 中米担当ゼネラルマネージャーです。

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